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けの介でごじゃる
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夕焼け空
ただ空を見ていた。

誰もいなくなった放課後の校庭で 暮れゆく茜色の空を見上げていた。



家に帰れば、温かい手料理を作って待っていたやさしい母が笑顔で迎えてくれるだろう。

それからテレビを見て お風呂に入って 電気の消えた部屋の布団の中で、

まだ宿題をやっていないと泣き出す私を 今夜も父は怒鳴りつける。

雷が去った後、見かねた姉が薄暗い布団の中で代わりに宿題をやってくれる。

けれど父に見つかって今度は姉が怒鳴られるのだ。



だから夕焼け空を見ていると 私は胸がきゅんと切なくなるのだ。

この想いを忘れたくないと思った。

大人になったら忘れてしまうのだろうか?

ならば 私は大人になんかならない、と誓った八歳の夕暮れ。



それから長い時をかけ自分の片割れを探し出し 

新しく芽生えた命も成長し いつしか八歳のままの私の年をも越えていった。

いい加減に大人になれよ、と片割れは言う。

けれど私は 今日も夕焼け空を眺めては胸をきゅんとさせるのだ。
by ke-nosuke | 2011-09-08 12:38 | エッセイ | Trackback | Comments(0)
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