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けの介でごじゃる
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キンモクセイの香り
「これ、ゆきちゃんにおみやげだよ。」

そう言って 幼稚園から帰ってきたお兄ちゃんが 

私の手の平いっぱいに キンモクセイの花を入れてくれた。


園庭に落ちていた その小さなオレンジ色の花々を拾い集めて

ズボンの両のポケットいっぱいに詰め込んできてくれたのだ。

可愛らしい鮮やかな花々からはうっとりするような甘い香りがたちこめ 小さな胸がドキドキした。


「あたち、お兄ちゃんのお嫁さんになる!」


そう叫んだ3歳足らずの幼い私。

時が過ぎ やがてキンモクセイの魔力も消え去り 今では憎まれ口も叩き合う。

それでも夕飯後はゲームを抱えて 今夜もお兄ちゃんの部屋に入り込むのだ。


外では今年もキンモクセイが香っている。



キンモクセイの香り_b0191189_14195899.jpg




これは6〜7年前に「ペインター」の練習で描きなぐった習作です。
いずれちゃんと描き直したいな,と…。 いつか、きっと…。
立体化もいいかも。
by ke-nosuke | 2011-10-06 14:57 | エッセイ | Trackback | Comments(0)